クラスの友達が話してくれないことよりも、お弁当をひとりで食べることよりも、えれながわたしに笑顔を見せてくれないことが本当につらかった。
子供のころから当たり前のようにそばにいたえれなに、背中を向けられたことが本当につらかった。

そう伝えたいのに、うまく言葉がでてこなくて、そんな自分がもどかしくて、いやになって、気がついたら涙がぽろぽろこぼれていた。

「え! やだ! 理緒、泣いてるの?」

えれながあわてふためくのがわかり、わたしはティッシュで目頭をおさえた。

「えれな……、ほんとにごめんね。インスタのこと、黙ってて……。最初はほんとに軽い気持ちで始めただけなの」

えれながわたしの腕をとって、ベッドに座らせた。

そして、自分も隣に座ると、真剣なまなざしをわたしに向けた。

なんでだろう、そのときにわたしの心にひろがったのは、安心感だった。
えれなが拒絶せずに、わたしの話を聞こうとしてくれることがうれしくて、ほっとして、逆に涙がとまらなくなった。

わたしはまるで子供のように嗚咽をもらしながら、それでも必死で言葉を探した。