「そうだよ! 怒ってるよ! だって今回のことは完全に理緒が悪いでしょう? わたしに内緒でインスタやって、有名人になっちゃってさ」

「それは……」

「理緒が悪いのに、なんで謝りにこないの? 言い訳とか、なんでもいいよ。なんで、ちゃんと話にこないの?」

その言葉にわたしはびっくりした。

「ちゃんと話す…」

「そうだよ、自分が悪いと思ったら、あやまりにくるでしょ? 普通」

「でも、あのとき謝ったけど、えれな、全然聞いてくれなかったから……」

「そりゃあのときは、一番頭に来てたときだもん、無理だよ! でもさ、ほんとに仲直りしたかったら、様子見てほとぼりさめたあとにもう一回謝らない? なんか、ちゃんと話したいんだけどとか言ってさ、呼び出したりするんじゃないの? 普通、は!」

そんなこと考えもしなかった…。
わたしはただ、えれなを傷つけたことが申し訳なくて、えれなが許してくれると思えなかったから……。

「ほんとに失いたくなかったら、何回でも来るでしょ! 普通!」

えれなは悔しそうに叫んだ。もうまるで地団駄ふみそうなぐらいの勢いだ。

「なのに、結局がまんできなくて、こうやってのこのこ会いに来るのは結局わたし。いっつもそう、わたしばっかり理緒のことが必要で、理緒がそばにいないと不安で……。理緒はわたしがいなくても、全然平気な顔してさ!」

「そんな……」

全然平気じゃなかったよ、とわたしはえれなに言いたかった。