えれながわたしの部屋に入るのは久しぶりだった。

中学のときはしょっちゅうお互いの部屋を行ったり来たりしていたし、高校受験の直前の一ヶ月はこの部屋でえれなとずっと勉強していた。

「理緒と同じ学校に行きたい」

それだけの理由で見たことがないくらいがむしゃらに勉強するえれなに、わたしも必死でつきあって勉強を教えた。

「理緒も勉強しなきゃいけないのに、ごめんね」

えれなはよくそう言っていたけど、でも、わたしもえれなに教えることで、知識が自分に確実に定着しているのを感じていたから、全然問題なかった。

だから、えれなとの勉強は自分のためでもあったのだ。

合格発表を一緒に見に行ったときのことを思い出す。

試験のあとに行った、自己採点の結果でもえれなはぎりぎりだった。

だから、発表を見にいくのをこわがって、えれな歯掲示板が見えた時点で足がとまってしまった。

「ダメ、こわくて行けない、理緒見てきて」

でも、わたしには予感があった。えれながおちるわけがない。

えれながあんなに求めたことが、手に入らないわけがないと。

だから、わたしはひきずるようにして、えれなを連れて行って、一緒に掲示板を見たんだ。

えれなの番号を最初に見つけたのがわたしで「あったよ! あった!」って叫んだら、えれなが「うそうそうそ!」と掲示板を食い入るように見つめた。