そして、そのたびにわたしは颯太くんのことをどんどん好きになっていった。

颯太くんは弱いところも、ダメなところも　たくさんわたしに見せてくれた。　


そのことでわたしは颯太くんを嫌いになった？　

ダメなやつだと見切りをつけたことがあった？


ちがう。

逆にそういうダメなところを知ったことで、颯太くんを愛しく思ったし、支えたい、役に立ちたいと思うようになった。　

わたしもあんな風に他人に対して、どんどん踏み込んでいっていいのかなって一瞬思うけれど、それはわたしにはとてつもなく勇気が必要なことだ。

自分に自信があって、誰にでも好かれる颯太くんだから、できることなんだと思う。

わたしが同じことをしてようと思っても、それは無理がある。

だとしたら、わたしは一生このままなのだろうか。誰とも理解し合うことのないまま、ひとりぼっちで生きていくのだろうか。