でも数分歩いて、わたしはわたしの足音に重なるもうひとつの足音に気づいた。
まさかと思って振り向くと少し離れたところに颯太くんがいた。

わたしがにらみつけても颯太くんは動じなかった。


わたしは何も言わずにまた歩きだした。

少し間をおいて、颯太くんも歩き出すのがわかった。


このままずっとついてくるつもり?

何がしたいの? 

どうしてそこまでするの?


それからしばらくの間、わたしはできるかぎり早歩きで歩いた。


でも、颯太くんの気配は消えなかった。