「どうして、黙ってたの」

わたしが地面を見つめながらさらに問いかけると、颯太くんは言い訳するように言った。

「だって……、俺、理緒に写真好きなの? ってよく聞いたじゃん。

でも、理緒、写真の話題さけようとするからさ、あんまり言われたくないのかなって…」

わたしの顔を見ないようにしているのが、颯太くんらしくなかった。わたしたちはお互いにお互いの顔を見ることができず、ちぐはぐな状態だった。

「それに、さりげなくえれなとかにも、理緒のアカウント見せたことあるんだけど、何も知らないぽかったし」

「えれなに見せたの?」

「あ? うん。このアカウントの写真すごいよくない? って」

「えれな、なんて?」

「写真とか、よくわかんないって、あっさり。だから、理緒がやってるって知らないんだなって思ったんだ」

思わずため息をついた。まさかわたしの知らないところで、そんなやり取りがあったなんて。

「えれなが知らないってことはさ、理緒は誰にも言ってないってことじゃん。だったら、俺も誰にも言うのはやめようって思って……」

颯太くんなりにいろいろ考えてくれたことはよくわかった。


でも、でも。