わたしが、衣装係を? なんで?

「だって理緒は部活やってないから、時間あるでしょ? 理緒がリーダーになって細かいしきりをやってくれたら、わたしたち理緒の言うとおりに何でもやるから! ね! お願い!」

「あ、それいい!」

「理緒は適任だよね!」

他の子たちまでえれなの意見にのっかって、クラス中が盛り上がった。

「ちょ、ちょっと待って、そんなの無理! わたしがリーダーなんて、ありえないから」

でも、えれなは強引だった。

「なんでなんで? 理緒は家庭科得意だし、絶対向いてるって。ねえ、団長! 団長もそう思うよね」

えれなの言葉に、颯太くんは少し考えて言った。

「確かにこのメンバーだと、理緒がいてくれたらありがたい…」

「なに、その言い方!」

「だって、おまえらだけじゃ正直心配だよ」

その言葉にえれなが「でしょ?でしょ?心配だよね。正直、わたしも心配すぎる 」と、笑いながら言った。みんながウケて盛り上がり、流れはますますわたしがやることに向かっていった。