わたしは胸の鼓動が早くなるのを感じた。
お姉さんは秘密を打ち明けるのが楽しくてしょうがないという顔をしていたけど、わたしは頭の中が混乱して、どういうことなのか全然わからなかった。
ど、どういうこと? 颯太くんは最初からすべて知ってた?
「理緒ちゃんのインスタの写真見て、近くに住んでる人だとは思ってたらしいのね。でも、同じクラスだってわかって、こんな偶然あるか? って、運命だなとか言ってたのよ。おかしいでしょ」
颯太くんのおねえさんはそのあとも何か言ってたけど、もうわたしの耳には入ってこなかった。
いままでずっと不思議に思っていたすべての謎が一気にとけた。
颯太くんとのあいだにおきた出来事が頭の中でフラッシュバックし、パズルがぱちぱちとはまっていくようだった。
季節限定のすいかのジュース、大好物のたこ鉄、夏祭りのあんず飴……。
確かにいままでにわたしはわたしの好きなものもよくアップしていた。
颯太くんは過去の写真を見ていたから、わたしの好きなものを知っていたっていうこと?
そして、なぜか行く先々で颯太くんに偶然会ってしまうのかという謎も、すべて答えがでた。
颯太くんと出くわしたとき、わたしは必ずその前にその場所で写真をとって、ポストしていたんだ。
颯太くんはそれを見たから、わたしがどこにいるか、見当がついたってこと……?