「僕は部外者だけど、なんとなく理緒ちゃんの友達のことも知ってるし、相談相手としては適任だと思うよ。よかったら、話して」

そううながされて、わたしはぽつぽつと話しだした。

頼れる人が誰もいなくなってしまったわたしの心は限界に近づいていて、誰かに話したかったのだと思う。

一年前からインスタグラムをやっていたこと。
意外と支持してもらうことができて、けっこうなフォロワーがいたこと。

でも、そのインスタグラムの存在を学校の友達には言っていなくて、親友のえれなにすら、伝えていなかったこと。
でも、取材を受けたことで、すべてをえれなに知られてしまったこと。

ずっと秘密にしていたことや、インスタグラムの内容のことで、えれなを傷つけ、怒らせてしまったこと。

写真集を出す話もあったのだけれど、いまはもうとてもそんな気になれないこと……。

でも、出版社の編集さんからは、よく考えるように言われ、引き止められていること……。

どうしてインスタグラムを始めたのか、インスタグラムがわたしにとってどれくらいどれくらい大切な場所だったかとか、そういう踏み込んだことまでは話さなかったけれど、渡辺さんはうんうんと聞いてくれた。

「そっか。なんか大変だったね……」

いたわるようにそう言われて、なんだか泣きたくなった。

「それで学校にいづらいんだね」

わたしは黙ってうなずいた。でも、話せば話すほど、自分が悪いんだなと実感する。
すべて自分がまいた種なんだなと思わずにいられない。