アカウントが非公開になったことに気がついた横澤さんから電話がきた。

雑誌で紹介されたアカウントにアクセスしたら、非公開になっている、どういうことだとクレームが入ったらしい。

「何かあった?」

そういう横澤さんに、わたしは事情を説明した。

今まで友達にも、誰にもインスタグラムをやっていることを言わずにいたこと、でもポストされている写真を見た友達が、わたしのアカウントだと気づいてしまったこと。
そのことで友達を傷つけてしまったこと……。

横澤さんが困っているのが、受話器を通して伝わってきた。

「宮下さん、大丈夫? 学校に行きづらくなったりしてない?」

「……」

「もしかして、いじめられてたりする?」

「いえ、いじめではないです。でも、なんかちょっといろいろあって……」

「……、大丈夫? なんとかなりそう?」

その言葉に、投げやりな気持ちになった。

なんとかなるってどういうことだろう。
えれながわたしを許してくれるってことかな。
でも、それはもう無理な気がする。

あそこまで傷つけてしまったのに、そんなこと期待するなんてむしがよすぎるだろう。

黙っていると、横澤さんが申し訳なさそうに聞いてきた。

「宮下さん、写真集の話なんだけど………」

「あ……」

「撮影って続けてくれてるかしら。どんな感じの写真がとれてるのか、送ってもらえるとうれしいんだけど」

「横澤さん……」

わたしは思い切っていった。