高校だって別のところに進学することになりそうなのを、えれなががんばって一緒の学校に通えるようになった。

いつも「理緒、理緒」って言って、そばにいるのが当たり前だったから、本当に離れていくなんて考えもしなかった。

「ひとりでいるとほっとする」なんて、よく言えたものだ。

なんて傲慢な言葉だったんだろう。
だったら、本当にひとりになればよかったんだ。
自分でその道を選べばよかったんだ。


みんなとうまくやるために、本音を隠して、笑顔を作って、それで雰囲気がよくなるならそれでいいなんて、自分だけが我慢してるみたいな気持ちでいた。

でも、それは全部自分がひとりになりたくないからそうしてただけのことなのに、自分だけが犠牲になってるみたいな顔して悲劇のヒロインぶってた。

『自分の世界が大好きで、壁をつくって、自分の中に閉じこもって、わたしのことを馬鹿にしてる! 』

そう叫んだえれなは、わたしの独りよがりな部分を全部わかって、それでも許して、受け入れて、守ってくれていたのかもしれない。