それから数日後、わたしはお母さんと一緒に出版社にでかけ、横澤さんや編集長さんとお話をした。編集長は四十代の男の人だったけれど、やはりわたしのインスタグラムがどれほどいいかってことを力説してくれた。
お母さんはインスタグラムってSNS自体を全然知らなくて、話しを聞いてもよくわからないって顔をしていた。
しかし、わたしのアカウントを見て少し驚いた顔をした。
わたしはわたしでかなり恥ずかしく、ちょっと気まずかった。
去年の一学期の終わりくらいからはじめて、もう一年、ほぼ毎日ポストしているし、一日に何度もポストしたこともあるから、すでに写真の数は500を超えている。
それをコメントまで一枚一枚丁寧にお母さんは見ていた。
「これ、お母さんの携帯でも見れる?」
「アプリをダウンロードすれば見れるよ」
「じゃあ、するわ。お母さんも理緒の写真見たいもの」
お母さんはわたしのスマホでインスタグラムを見ながら、言った。
「やだ、やめてよ。それはダメ」
「なんで。いいじゃない。だってたくさんの人が見てるんでしょ」
「フォロワーはみんな知らない人だから。知ってる人はダメ」
わたしの言葉にお母さんは顔をしかめて言った。
「どうして。なんかへんね、それ」
「いいの。もう見ないで」
わたしはお母さんの手からスマホを取り上げた。
そのやり取りを見ていた横澤さんが、微笑んで言った。
「理緒さんのインスタは理緒さんの心そのものなんです。だから、近い人に見られるのは恥ずかしいんでしょうね」
「だったら、余計見たいわ」
お母さんはそう言ってふくれた顔をしてみせた。
お母さんはインスタグラムってSNS自体を全然知らなくて、話しを聞いてもよくわからないって顔をしていた。
しかし、わたしのアカウントを見て少し驚いた顔をした。
わたしはわたしでかなり恥ずかしく、ちょっと気まずかった。
去年の一学期の終わりくらいからはじめて、もう一年、ほぼ毎日ポストしているし、一日に何度もポストしたこともあるから、すでに写真の数は500を超えている。
それをコメントまで一枚一枚丁寧にお母さんは見ていた。
「これ、お母さんの携帯でも見れる?」
「アプリをダウンロードすれば見れるよ」
「じゃあ、するわ。お母さんも理緒の写真見たいもの」
お母さんはわたしのスマホでインスタグラムを見ながら、言った。
「やだ、やめてよ。それはダメ」
「なんで。いいじゃない。だってたくさんの人が見てるんでしょ」
「フォロワーはみんな知らない人だから。知ってる人はダメ」
わたしの言葉にお母さんは顔をしかめて言った。
「どうして。なんかへんね、それ」
「いいの。もう見ないで」
わたしはお母さんの手からスマホを取り上げた。
そのやり取りを見ていた横澤さんが、微笑んで言った。
「理緒さんのインスタは理緒さんの心そのものなんです。だから、近い人に見られるのは恥ずかしいんでしょうね」
「だったら、余計見たいわ」
お母さんはそう言ってふくれた顔をしてみせた。