「理緒!」

颯太くんがやっとブランコをとめて、わたしのもとに駆け寄ってきてくれたとき、わたしはなんだか自分がおかしくて、笑いがとまらなかた。

肩を震わせているわたしを見て、泣いていると勘違いした颯太くんがあわてふためく。

「どうした? どこか痛い? 理緒?」

「大丈夫……、全然大丈夫だから」

震えているのが、笑っているからだとわかった颯太くんが、心の底から安心したように「なんだよ」と息を吐いた。

「なんだよ、理緒、驚かせんなよー!」

「ごめん……、だってもうなんだかおかしくなっちゃって……」

颯太くんがわたしの頬についた砂利を払いながら言う。

「ほんと理緒、わけわかんねー」

「ごめんね」

「おれ、まじで心臓とまりかけたから。理緒が飛んだとき」

その言葉がおかしくて、また笑ってしまう。