「え? なに?」

「こくぞ」

「無理じゃない?」

想定外の行動にどうしていいかわからずにいたら、颯太くんの足にがっつりはさまれるような形になってしまった。

「颯太くん、あぶないよ」

「理緒もこいで」

「え? 無理だってば」

颯太くんが足に力をいれてふんばり、腰をぐっといれたとたん、ブランコが動きだした。

「ちょっと! こわいよ!」

「大丈夫、つかまっとけ」

「待って! とめて!」

わたしは必死でブランコのチェーンをにぎりしめた。

一度動きだしたブランコはどんどん勢いづいて、大きくスイングしている。

わたしも最初はキャーキャー言ってたけど、だんだん慣れて、楽しくなってきた。

子供のころはえれなとブランコに乗ってどっちが高くこげるか競争していたことを思い出した。

空中を舞いながら、颯太くんが言った。