「俺の聞き方が悪いな。ストレートに聞いて、理緒が答えるわけないもんな」

その言葉に少しだけ申し訳ない気がした。

颯太くんはいつもちゃんとボールを投げてくれるのに、わたしは受け取るのが下手すぎる。
そのボールをよけたり、そらしたりするばかりで、しかもとれなかったボールを颯太くんがいつも取りに行ってくれてるみたいになってる。

わたしもちゃんとしたボールを投げなきゃ。はじめてそう思った。

 ……でも、どうやって投げていいかわからない。

「なんか」と、とりあえず切り出してみる。

「うん」

「なんか今のままでいいのかなって、ちょっと思って」

「何が。理緒?」

「そう。……そうだね。わたしが」

わたしははっきりとそう言った。

「なんでそう思ったの。今のままでいいのかなって、なんで。なんか心配なことでもあった?」

「………なんとなく」

「そっか」

またキャッチボールがとだえた。わたしのせいだ。

「……なんていうか」

投げたい。投げ返したい。

「なんか、わたしってつまんないよね?」

颯太くんがきょとんとした。

必死になりすぎて、変なことを口走ってしまい自分でも驚いてしまう。