それってなんでだろう。

別に、違う人格を演じて、現実とは違う世界を作り上げて、妄想の世界でなりたい自分になったってよかったのに。それはそれで気分のよいものだったのかもしれない。

そうやって考えていくうちに、わたしはわかってしまう。

やっぱり、わたしは誰かに私という人間を分かってほしいんだってこと。

宮下理緒という人間が、毎日何を考えて、どんなことに傷ついて、どんなことに笑って、何を幸せだと思って生きているのかをわかちあう誰かを探しているんだっってこと。

いつもえれなの影に隠れて、そのまぶしい光に消されてしまっているわたしの存在に気づいてほしいと、心のどこかで願っているんだと。

でも、実際は自分をさらけ出すことが苦手で、アピールすることができないから、インスタグラムでごまかしているんだろう。

でもこのままじゃ横澤さんに言ったとおり、ほんとうにただの自己満足だ。

これでいいのかな。

このままじゃ何も変わらない。

そこまで考えて、また思う。


……わたしは何か変えたいのかな?

変わりたくないのかな? 

ああ、もうそれすらもわからない。

わたしはいったいどうしたいんだろう。