ぼんやりと歩いていたわたしは、ふと蝉の抜け殻をみつけた。

まだ新しいのか、つやがのこるべっこう色のそれを手のひらにのせてみた。

街灯の光に照らされたそれが、光る様子を撮る。

水飲み場の蛇口がしっかりしめられていないのか、水がぽたぽた垂れ落ちていた。
その姿を撮る。

わたしは誰も乗っていないブランコを撮った。
日が落ちて、薄暗い中にたたずむブランコは、ほんとにたよりなく、心細そうに見えた。

わたしはブランコの写真に少し画質が荒くなるようなフィルターをかけた。

うらびれた寂しい感じがさらに増して、この写真が一番いまのわたしの気持ちにあっている気がした。


『自分のやるべきことがわからない。いるべき場所も見つけられない』


そうコメントをそえて、ポストする。

とたんに、いいね、が増えていく。