時々、えれながそのグループのメンバーについて、わたしにぐちってくることもあった。チア部でわがままを言うとか、時間がルーズでいやだとか。
でも、それもまた悪口というほどのことではなく、ぼやきとかそういうレベルに近いものだった。えれなもみんなと楽しく一緒にいるために、少しくらい吐き出す場所が必要だったんだろう。えれなの場合はそれがわたしだったのだと思う。
だから、わたしもうんうんと聞いてあげて、時々は一緒に文句を言ってみたりした。
そう、えれなはみんなの前で演じている、ある意味裏の部分も、わたしに見せてくれていたのだ。
でも、わたしはえれなに本音を吐き出すことはできなかった。だって、えれなの友達のなかで過ごすのが苦しいなんて、仲間に入れてもらっている立場なのに、言えるわけがない。もし言葉にしてそれを伝えたら、えれなは悲しむだろうし、わたしと友達の間で今まで以上に気を遣うことも想像ができた。
それに何よりも、そんなことをあえて口にだして、えれなにめんどくさがられたら……と思うと、怖かった。えれなに嫌われたら、現実の世界に居場所がなくなってしまうのだから。臆病なわたしは現実と向き合うことよりも、異次元の空間に逃げることを選んだのだった。
そして、今となってみると、えれなにインスタグラムをやっていることを言わないでいてよかったと思うことがもうひとつある。それは颯太くんへの思いを、曖昧な表現だとしても吐き出すことができる唯一の場所だったからだ。
でも、それもまた悪口というほどのことではなく、ぼやきとかそういうレベルに近いものだった。えれなもみんなと楽しく一緒にいるために、少しくらい吐き出す場所が必要だったんだろう。えれなの場合はそれがわたしだったのだと思う。
だから、わたしもうんうんと聞いてあげて、時々は一緒に文句を言ってみたりした。
そう、えれなはみんなの前で演じている、ある意味裏の部分も、わたしに見せてくれていたのだ。
でも、わたしはえれなに本音を吐き出すことはできなかった。だって、えれなの友達のなかで過ごすのが苦しいなんて、仲間に入れてもらっている立場なのに、言えるわけがない。もし言葉にしてそれを伝えたら、えれなは悲しむだろうし、わたしと友達の間で今まで以上に気を遣うことも想像ができた。
それに何よりも、そんなことをあえて口にだして、えれなにめんどくさがられたら……と思うと、怖かった。えれなに嫌われたら、現実の世界に居場所がなくなってしまうのだから。臆病なわたしは現実と向き合うことよりも、異次元の空間に逃げることを選んだのだった。
そして、今となってみると、えれなにインスタグラムをやっていることを言わないでいてよかったと思うことがもうひとつある。それは颯太くんへの思いを、曖昧な表現だとしても吐き出すことができる唯一の場所だったからだ。