でも、わたしは現実で自分を少し偽っている以上、インスタグラムでは何も嘘をつきたくなかった。
だから、プロフィールにのせた情報も最低限にした。わたしがアップするのは、日々感じている、正直な気持ちだけ。それを受け入れてくれる人だけとつながれればいいと思ったのだ。

そうやってはじめたインスタグラムにフォロワーが着々と増えていくのを見るのは、心からうれしかった。こんなにダメなわたしでも、たくさんの人が受け入れてくれる。その事実がわたしの支えになり、もはや心の安定剤のようだった。


『また明日も頑張ろう! 』

『おはよう、よいいち日を』

『すてきな時間だった、ありがとう』


そんなシンプルな言葉を添えた写真ももちろんたくさんある。

でも、演じることに疲れた自分がにじみ出てしまうポストもあった。


『みんなといることに疲れたら、ここに来る』


そうコメントをそえて、放課後の屋上から見える夕日をポストしたこともある。


『みんなと笑っていても、ひとりぼっちだって思うことがある』


みんなとファストフードでおしゃべりした後の散らかったテーブルの写真を撮ったときはそうコメントした。