右手に持っていた重い紙袋を左手に持ち替えて、スマホをかまえると、バランスがくずれやすくて、ぶれないように注意しながらシャッターを切った。
カシャっ、カシャ。カシャカシャ。
と、突然誰かに紙袋を取り上げられ、左手が軽くなった。ふんばっていたわたしは逆にバランスを崩してよろめいてしまう。
「あ、ごめん」
紙袋を持ってくれたのは紺野颯太だった。
わたしはあわててスマホをポケットにしまう。
「あ、ありがとう。でも大丈夫だから」
「重いじゃん」
言葉とは裏腹に軽々と紙袋を持って、紺野颯太はすたすたと歩き出した。
わたしはどうしていいかわからないまま、とにかくその二歩後ろくらいをついて歩き出す。なのに、紺野颯太は立ち止まり、わたしが隣に来るのを待っているから、結局並んで歩くことになってしまう。
「理緒は写真好きなの?」
そう聞かれて、どう答えていいかわからず口ごもってしまう。
インスタグラムのことは誰にも言ってないし、写真のことをあまり掘り下げられるのはいやだった。
「……べつに。そういうわけじゃないけど……」
紺野颯太は「ふーん」と探るようにわたしを見た。
カシャっ、カシャ。カシャカシャ。
と、突然誰かに紙袋を取り上げられ、左手が軽くなった。ふんばっていたわたしは逆にバランスを崩してよろめいてしまう。
「あ、ごめん」
紙袋を持ってくれたのは紺野颯太だった。
わたしはあわててスマホをポケットにしまう。
「あ、ありがとう。でも大丈夫だから」
「重いじゃん」
言葉とは裏腹に軽々と紙袋を持って、紺野颯太はすたすたと歩き出した。
わたしはどうしていいかわからないまま、とにかくその二歩後ろくらいをついて歩き出す。なのに、紺野颯太は立ち止まり、わたしが隣に来るのを待っているから、結局並んで歩くことになってしまう。
「理緒は写真好きなの?」
そう聞かれて、どう答えていいかわからず口ごもってしまう。
インスタグラムのことは誰にも言ってないし、写真のことをあまり掘り下げられるのはいやだった。
「……べつに。そういうわけじゃないけど……」
紺野颯太は「ふーん」と探るようにわたしを見た。