高校を入学したばかりのころ、わたしは少し戸惑っていた。

第一希望の高校に入れて、嬉しいはずなのに、なんだか思い描いていた高校生と現実の自分にあまりに差がありすぎる気がしたから。

中学は小学校とほぼ学区が重なっていたせいで、同級生がほとんど顔見知りだった。それぞれお互いのことをよく知っていて、仲がいいとか悪いとか関係なく、クラス全体で仲間のような雰囲気があった。それはそれで気楽だったけれど、小学校時代から九年間メンバーがあまり変わらない生活に息苦しさを感じていたのも事実だ。自分のポジションというかキャラも、完全に確立していて、変えようがない。

でも、いまの高校に進学したのは女子では私とえれなくらいだった。だから、少しくらい自分を変えることができるんじゃないかって期待を、わたしはひそかに抱いていたのだ。