わたしはそれ以来、図書館には行かなくなった。ショッピングモールも、八幡様へ続く緑道も。 颯太くんとの思い出がある場所はなるべく避けて通り、偶然遭遇することがないように注意深く行動した。そして、颯太くんのことを思い出さないように、本を読んだり、勉強したり、映画を見たり、違うことに集中するようにした。 油断するとわき上がってくる颯太くんを恋しく思う気持ちと、幸せな思い出から逃げ出したくて必死だった。