でも、えれなはわたしと同じ高校に行きたいと言って猛勉強した。わたしの家に泊まりにきて、一緒に夜中まで勉強したりして、やっとの思いで合格を勝ち取ったんだ。

でも、えれなが一緒の高校に進学してくれたおかげで、助けられているのはわたしの方だった。

私自身は人見知りだし、無愛想だから、近づきにくいと思うけど、えれなは男子女子問わず、人を引きつける。

そのえれなが、いつもわたしの隣にいるせいで、何も知らない人が見たら、わたしはいつも輪の中心にいるようにみえるだろう。

えれなは何かあると、「理緒どう思う?」「理緒はどうする?」って聞いてくるから、わたしとえれなは絶対にセットだと思われていて、そのせいでみんなもえれなを誘うときには、とりあえずわたしにも声をかけてくれる。

だから、チア部の子たちと遊びに行くときは、わたしはなるべく理由をつけて断るようにしていた。チア部の子たちにとっては、わたしはえれなのおまけでしかないだろうし、気を使わせてしまうことはわかっていたから。

わたしが断るとえれなは悲しげな顔をした。

えれなはどうしてわたしが一歩線をひいて、グループになじもうとしないのか歯がゆいんじゃないかなと思うこともないわけじゃない。

わたしはみんなのことが嫌いじゃなかったけど、どうしても同じようには振る舞えなくて、距離を置く必要があったのだ。