そこに浮いていたのはターコイズブルーの水風船だった。ラベンダーにも近い、くすんだピンクやコーラル系のオレンジで模様が描かれている。
ほんとうにわたしの好みにぴったりだった。あのままじっくり水槽を眺めていたら、きっと自分で見つけて手にとっていただろう。
どうして、そんなにわたしの好みがわかってしまうんだろうという驚きのあとに、わたしの心いっぱいにあふれたのは切なさだった。
こうやって小さな偶然がおきると、つい勘違いしてしまいそうになる。
颯太くんはほんとうは私のことが好きなんじゃないかなとか、そんなばかみたいな期待をつい抱いてしまいそうになる。
わたしは感じてしまった切なさを振り払うように笑って、言った。
「残念でした。全然違うよ」
そういうと、颯太くんは「嘘だろ? 絶対好きだって!」とむきになって言った。
「しょうがないなあ、じゃあこれにしておこうかな」
そんな憎まれ口をたたきながら、わたしはその水風船をすくいあげた。
見れば見るほどわたしの好みど真ん中だった。
「その浴衣にも、めちゃくちゃ似合うじゃん」
颯太くんのその言葉に、また心が打ち抜かれる。心の一番敏感なところに響いて、泣きたくなる。
ほんとうにわたしの好みにぴったりだった。あのままじっくり水槽を眺めていたら、きっと自分で見つけて手にとっていただろう。
どうして、そんなにわたしの好みがわかってしまうんだろうという驚きのあとに、わたしの心いっぱいにあふれたのは切なさだった。
こうやって小さな偶然がおきると、つい勘違いしてしまいそうになる。
颯太くんはほんとうは私のことが好きなんじゃないかなとか、そんなばかみたいな期待をつい抱いてしまいそうになる。
わたしは感じてしまった切なさを振り払うように笑って、言った。
「残念でした。全然違うよ」
そういうと、颯太くんは「嘘だろ? 絶対好きだって!」とむきになって言った。
「しょうがないなあ、じゃあこれにしておこうかな」
そんな憎まれ口をたたきながら、わたしはその水風船をすくいあげた。
見れば見るほどわたしの好みど真ん中だった。
「その浴衣にも、めちゃくちゃ似合うじゃん」
颯太くんのその言葉に、また心が打ち抜かれる。心の一番敏感なところに響いて、泣きたくなる。