【図書館でばったり颯太くんにあったよ。えれなも一緒にお祭りに行かないかって言ってたよ。どう? 】

すぐに既読になり、えれなからも返事がはいる。

【へー、颯太が図書館になんか行くんだ】

【宿題やりに来たみたい】

【意外だね】

【お祭りはどうする? 】

【理緒は? 行く? 】

【えれなが行くなら。あ、えれなだけ行って、わたしはどたキャンしてもいいよw】

するとしばらく間があいた。

【ふたりなんてやだ、理緒が行くなら、行く】

【そう? 颯太くん喜ぶね。行けるって言うね】

【浴衣着ていこうよ! せっかくお祭りだし! 】

えれなの気持ちが盛り上がってきたみたいで、わたしもうれしかった。颯太くんもえれなの浴衣姿みたら、きっと喜ぶだろう。

わたしは颯太くんにLINEした。衣装係をやったときに、業務連絡のために必要でアドレスの交換はしていた。正直、わたしからではなく、えれなからした方がいいんじゃないかなって思ったけど、まあここはキュービッドに徹しようと思った。

【お祭り、えれなも行けるって! やっぱり夜は大丈夫みたい。よかったね、すごく楽しみにしてると思うよ】

 しばらくすると、颯太くんからも返信がきた。

【了解! ありがと】

あまりに短いやりとりで拍子抜けしたけど、男の子ってこんなものかなと思う。えれなは一緒にって言ってくれたけど、やっぱりわたしは直前でどたキャンしようって思った。三人でお祭りに行って、ふたりのお邪魔するなんてやぼすぎる。

それに……やっぱり本音を言うと、目の前で幸せオーラ満載のふたりだけの世界を作られたりしたら、さすがにやりきれないなっていう思いもあった。

えれなと颯太くんがうまくいけばいいなって思うのは嘘じゃない。でも、その一方でふたりに置いていかれてしまうようで、どうしようもなくさみしいと思う気持ちをコントロールできない自分がいることもまた現実なのだった。