追試期間が終わると、人生で最も怒濤だったとしか言えない一学期が終わった。
衣装係をやって、想定外の恋に落ちてしまって。颯太くんを中心に発生した大きな大きな渦に巻き込まれ、右も左もわからないままにとにかくひたすらやるべきことをこなす日々だった。夏休みは、溺れかけてやっとたどりついた無人島のようだった。心身ともに消耗していたわたしは、誰にも邪魔されず静かにゆっくり休みたかった。
夏休み初日、わたしは昏々と眠り続けた。心配したお母さんが一度様子を見にきたのはなんとなく覚えてる。でも、それに返事をしたかどうかはわからない。目覚めたときは、もう夕方だった。よく寝たなあと自分でもあきれながら、部屋から見える夕方の空の写真を撮った。夏の夕焼けはなんだかのどかで、すべてを包み込むようなおおらかさがあっていい。珍しく加工しないで、そのままのせた。
『あの日々がすべて夢だったような気がしてる夕方』
学校に行かなくなったことで、当たり前のように颯太くんと会う機会がなくなってしまったけれど、それもわたしにとっては都合がよかった。
颯太くんとえれなはきっとうまくいってるんだろうし、一ヶ月以上離れて過ごせば、わたしの気持ちにも整理がつくだろうと思っていた。颯太くんを好きだと思ってしまう気持ちをクールダウンさせることができるだろう、と。
衣装係をやって、想定外の恋に落ちてしまって。颯太くんを中心に発生した大きな大きな渦に巻き込まれ、右も左もわからないままにとにかくひたすらやるべきことをこなす日々だった。夏休みは、溺れかけてやっとたどりついた無人島のようだった。心身ともに消耗していたわたしは、誰にも邪魔されず静かにゆっくり休みたかった。
夏休み初日、わたしは昏々と眠り続けた。心配したお母さんが一度様子を見にきたのはなんとなく覚えてる。でも、それに返事をしたかどうかはわからない。目覚めたときは、もう夕方だった。よく寝たなあと自分でもあきれながら、部屋から見える夕方の空の写真を撮った。夏の夕焼けはなんだかのどかで、すべてを包み込むようなおおらかさがあっていい。珍しく加工しないで、そのままのせた。
『あの日々がすべて夢だったような気がしてる夕方』
学校に行かなくなったことで、当たり前のように颯太くんと会う機会がなくなってしまったけれど、それもわたしにとっては都合がよかった。
颯太くんとえれなはきっとうまくいってるんだろうし、一ヶ月以上離れて過ごせば、わたしの気持ちにも整理がつくだろうと思っていた。颯太くんを好きだと思ってしまう気持ちをクールダウンさせることができるだろう、と。