「理緒は? ほんとにいいの?」

「いいの、いいの。なんか疲れちゃった。えれな、行ってきて」

「そう?」

えれなはわたしを気遣いながらも、みんなのもとに行った。わたしは微笑んで見送り、ひとりでジュースをすすっていた。

男子たちが颯太くんを囲んでねぎらっているのが聞こえてきた。

「応援合戦、うちがだんとつだったな!」

「おれ、最後颯太がピラミッドで立ったとき、鳥肌たったよ」

口々にほめられ、颯太くんはまんざらでもなさそうな顔で笑ってた。

「総合優勝もいけると思ったんだけどなー」

颯太くんが悔しそうに言った。

「応援合戦で一位だったんだからいいじゃん。颯太的には十分だろ」

その言葉に颯太くんはむっとした顔で答えた。

「俺は青軍が総合優勝するために、応援団がんばったの!」

それを聞いて、わたしは颯太くんと一緒にたこ焼きを食べた夜のことを思い出した。

『総合優勝したら、好きな子に告白するんだ』

そうだよね、好きな子に思いを伝えたいから、颯太くんはあんなにがんばってきたんだよね。