それにちょっとくらいいい思いをしたっていいじゃんって思う気持ちもあった。えれなたちにも渡辺さんにも手伝ってもらったけど、衣装づくりの大半の作業を私がやったのだ。そういう大変なことは見ようともしないで……。


いや、違う。

見ようとしないんじゃなくて、見えないんだ。

わたしに興味がないから、関心がないから、わたしが何をしているかなんて見えないのはあたりまえだ。
私ぱんぱんになったゴミ袋をもちあげると、焼却炉にぎゅうぎゅうと押し込んだ。わかってる、勘違いなんてしてないし、立場もわきまえてる。

颯太くんのあの行動はうれしかったけど、でも、颯太くんにとってわたしが特別だってわけじゃないってことくらい、わたしが一番分かってるんだ。