閉会式が終わって、青軍の席に戻ろうとしたとき、渡辺さんを見つけた。
「渡辺さん!」
わたしが駆け寄ると、渡辺さんはニコニコ笑いながら言った。
「優勝できなくて、残念だったね」
「はい。でも! 応援合戦見ましたか?」
「見た。すごかったな。颯太、賭にでたなと思ったよ」
そう言いながらも、渡辺さんは満足げだった。賭けに出て、見事勝ちをつかんできた颯太くんを誇らしく思っているのがわかった。
「わたしもひやひやしました。でも、よかったです」
「理緒ちゃんもがんばったもんね。衣装もすごくよかったよ。僕、審査員席の近く見てたんだけどさ、衣装がいいってみんな言ってたよ」
「ほんとですか?」
「ほんとほんと」
わたしはうれしくて、飛び跳ねてしまった。
「ほんとお疲れさま。よかったね!」
渡辺さんはわたしをねぎらうと、手を振って帰っていった。
席に戻るとえれなが耳打ちしてきた。
「理緒、渡辺さんといい雰囲気だったー」
「なに言ってるの」
「いいよね、渡辺さん。大学生はやっぱり違う」
「……」
「やっぱりわたしも衣装係ちゃんとやればよかったなあ。理緒、役得だね!」
えれなが悪気があって言ってるわけじゃないのはわかってる。
でもできあがるまでの苦労を思い出すと、ちょっとだけむっとした。
それに、颯太くんはえれなのために頑張ってたのに、他の男の人のことをほめるなんて。
「渡辺さん!」
わたしが駆け寄ると、渡辺さんはニコニコ笑いながら言った。
「優勝できなくて、残念だったね」
「はい。でも! 応援合戦見ましたか?」
「見た。すごかったな。颯太、賭にでたなと思ったよ」
そう言いながらも、渡辺さんは満足げだった。賭けに出て、見事勝ちをつかんできた颯太くんを誇らしく思っているのがわかった。
「わたしもひやひやしました。でも、よかったです」
「理緒ちゃんもがんばったもんね。衣装もすごくよかったよ。僕、審査員席の近く見てたんだけどさ、衣装がいいってみんな言ってたよ」
「ほんとですか?」
「ほんとほんと」
わたしはうれしくて、飛び跳ねてしまった。
「ほんとお疲れさま。よかったね!」
渡辺さんはわたしをねぎらうと、手を振って帰っていった。
席に戻るとえれなが耳打ちしてきた。
「理緒、渡辺さんといい雰囲気だったー」
「なに言ってるの」
「いいよね、渡辺さん。大学生はやっぱり違う」
「……」
「やっぱりわたしも衣装係ちゃんとやればよかったなあ。理緒、役得だね!」
えれなが悪気があって言ってるわけじゃないのはわかってる。
でもできあがるまでの苦労を思い出すと、ちょっとだけむっとした。
それに、颯太くんはえれなのために頑張ってたのに、他の男の人のことをほめるなんて。