最後にひとり残った颯太くんが「WE ARE BLUE!!」と大声で音頭をとりながら、ピラミッドを上っていく。四段とはいえ、高校生がつくるそれはけっこうな高さになる。わたしは息をのんでその様子を見つめていた。
四段目にのぼった颯太くんが慎重に立ち上がった。

固唾をのんで見守っていた青軍の生徒たちや、ギャラリーがわーっと湧いた。

「WE ARE BLUE! WE ARE THE ONE!」

そう叫ぶと、右手を高々とつきあげた。ピラミッドの頂点で、颯太くんの腕と指が青空を突き刺すかのようにまっすぐになラインをつくった。

「青軍! ファイトッ!」

「おーーーー!」

青軍の生徒たちがやはり人差し指をつきあげて、颯太くんに向かって振りあげた。
わたしも必死で振った。雲ひとつない青い空をバックに、凛々しく立つ颯太くんに向かって。わたしたちの応援団長に感謝の思いをこめて。

青軍の生徒たちだけでなく、ギャラリーからも大きなあたたかい拍手をもらって、青軍の演舞は幕を閉じた。