午後の部は応援合戦以外にチア部のデモンストレーションがあり、騎馬戦があり、総合リレーなんかもあるから、ギャラリーが一段とふえる。

活気と緊張感の漂うなか、応援合戦が始まった。

赤軍、白軍、青軍、緑軍の順番で演舞が行われる。わたしの席からは他の軍の演舞をじっと見つめる颯太くんの顔がよく見えた。

派手な演舞がいいのかというとそうでもなくて、あんまりアクロバティクなことをやったり、奇抜な創作ダンス的なことをやっても、あまり評価は高くない。応援団はあくまで、応援団として一致団結した演技ができているか、同じ軍の団員(生徒たち)を巻き込んで、応援がでてきているかが評価の対象になると聞いたことがあった。

白軍の演舞が終わり、拍手がわき上がる。

颯太くんが深呼吸をしているのがわかった。

がんばって、颯太くん。

わたしは祈るように胸の前で手を組んだ。

「続いて、青軍の演舞発表」

アナウンスを受けて、颯太くんが立ち上がる。

「青軍! 起立!」

その言葉に、応援団員がすくっと立ち上がる。

以前聞かせてもらったごりごりっとしたロック調の音楽が流れ出し、団員たちが動きだした。