体育祭の当日は朝からよく晴れた。
天気予報は夏日になりそうだと繰り返し言っている。

チア部は朝からリハーサルがあるのでえれなは早く登校してしまっていて、わたしはひとりでバスに乗った。
もうわたしの仕事はすべて終わってる。本番はこれからだというのに、まるでよその学校の体育祭を見にいくような気持ちだった。

青空に万国旗がはためき、行進曲風の音楽が流れ、父兄や地域の人たちの姿も見栄、校内はいつもとはまた違った活気に満ちていた。

実行委員が用意した立て看板が、お祭り気分を盛り上げている。
応援団のメンバーもかなり早い時間に登校していたらしい。

わたしが登校したころには、すでにTシャツを着てなにやら最後の打ち合わせをしているのを見かけた。中心で話しているのはもちろん颯太くんだ。真剣な顔でなにか動きの確認をしているようだった。みんなが頷きながら颯太くんの話しを聞いている。

夜の公園でたこ焼きを食べながら不安そうだった颯太くんの顔を思い出す。何か力になる言葉をかけてあげられたらなとも思うけど、応援団で集中しているところを邪魔しちゃいけないとも思う。