「場所は、どうしよっか。あの公園にする? でも、あそこだと天気が悪い日は困っちゃうよね」
香奈たちと放課後におしゃべりをするときは、どこかのファミレスやファーストフード店に入ることが多いけれど、毎日のように会うとなるとお金が気になってしまう。
それに、天音の空気感には、ああいう騒がしい雰囲気の店は合わない気がする。だから、わたしとしては店で会うという選択肢はなかった。
彼が首を傾げて考え込むような表情をしたとき、「ちょっといい?」と頭上から声がした。見上げると、あかりさんがにっこりと笑ってわたしたちを見ている。
「ごめんね、話が聞こえちゃったんだけど」
「あっ、はい、大丈夫です」
「ありがと。ねえ、よかったら、ここはどう?」
彼女は立てた人差し指を下に向けて言った。
「この店で、会って話せばいいんじゃない?」
「え……っ」
わたしは息を呑んだ。天音も目を丸くしてあかりさんを見ている。
「あ、もちろん、お代は貰わないわよ。好きな飲み物一杯だけサービスしてあげる。コーヒー一杯で何時間でも粘ってくれて結構よ」
彼女の言葉に、わたしはぶんぶんと首を横に振った。
「そんな……お言葉はありがたいですけど、だめです。そんなのいただけません。申し訳ないです」
「あら、気にしないで。むしろ、私が二人に来てほしくて言ってるんだから」
香奈たちと放課後におしゃべりをするときは、どこかのファミレスやファーストフード店に入ることが多いけれど、毎日のように会うとなるとお金が気になってしまう。
それに、天音の空気感には、ああいう騒がしい雰囲気の店は合わない気がする。だから、わたしとしては店で会うという選択肢はなかった。
彼が首を傾げて考え込むような表情をしたとき、「ちょっといい?」と頭上から声がした。見上げると、あかりさんがにっこりと笑ってわたしたちを見ている。
「ごめんね、話が聞こえちゃったんだけど」
「あっ、はい、大丈夫です」
「ありがと。ねえ、よかったら、ここはどう?」
彼女は立てた人差し指を下に向けて言った。
「この店で、会って話せばいいんじゃない?」
「え……っ」
わたしは息を呑んだ。天音も目を丸くしてあかりさんを見ている。
「あ、もちろん、お代は貰わないわよ。好きな飲み物一杯だけサービスしてあげる。コーヒー一杯で何時間でも粘ってくれて結構よ」
彼女の言葉に、わたしはぶんぶんと首を横に振った。
「そんな……お言葉はありがたいですけど、だめです。そんなのいただけません。申し訳ないです」
「あら、気にしないで。むしろ、私が二人に来てほしくて言ってるんだから」