幼稚園くらいの頃には『ケーキ屋さん』とか『お花屋さん』とか、無邪気に夢を見ていたのに、いつの間にわたしは夢見る力を失ってしまったんだろう。昔はきらきらと輝いて見えた未来が、今はすっかり濁ってしまって、考えるだけでわたしの気を重くする憂鬱な存在になってしまった。

夢を見ることも、やりたいことやなりたいものを見つけることも、わたしにはひどく難しくて、考えるたびに高い高い壁の前に立ち尽くしているような気持ちになってしまうのだ。

そもそも、やりたいことって、『見つける』ものなんだろうか。自然とやりたくなるものが、本当のやりたいことなんじゃないだろうか。なにかないかと必死に探す時点で、それはもう自分のやりたいことではない気がする。

もしもわたしが次の面談までに必死になって色々と調べてなにかやりたいことを決めたとして、それはきっとただのこじつけだ。本当にわたしがやりたいことではないのだ。

考えれば考えるほど重苦しい気分になって、わたしはまたため息をもらした。