彼方くんを好きになったことで、今までの恋はただの友達の延長みたいなものだったと知った。
ただクラスでいちばん仲が良くて話しやすい男子を『好きな人』と呼んでいただけだった。
彼方くんへの想いは、そういうものとは全然違った。
同じクラスでもないし、一度しか話したこともないのに、わたしは彼のことしか考えられなくなった。
学校にいる間はずっとアンテナを張り巡らせているように彼を探して、一瞬でも姿を見られたらその日は一日中幸せだった。
わたしに向けられたものではなくても、その声が聞けただけで、跳び上がるほど嬉しかった。
わたしは生まれて初めて、本気の恋をしたのだ。
ずっとただ遠くから眺めていることしかできなかったけれど、英語の能力別授業で同じクラスになれて、震えるくらい嬉しかった。
少しずつ話せるようになって、文化祭では一緒に出し物を回ることができた。
でも、彼方くんが選んだのは、わたしではなかった。
わたしと同じように彼のことを好きになり、遠くから見つめているだけだった遠子を、彼方くんは選んだ。
そのことは仕方がないことだし、当然だとも思える。
趣味も夢もなくて、熱中してがんばれるものも何もなく、ただ毎日をやり過ごすように無意味に過ごしているだけのわたしには、なんの魅力もないと分かっている。
ただクラスでいちばん仲が良くて話しやすい男子を『好きな人』と呼んでいただけだった。
彼方くんへの想いは、そういうものとは全然違った。
同じクラスでもないし、一度しか話したこともないのに、わたしは彼のことしか考えられなくなった。
学校にいる間はずっとアンテナを張り巡らせているように彼を探して、一瞬でも姿を見られたらその日は一日中幸せだった。
わたしに向けられたものではなくても、その声が聞けただけで、跳び上がるほど嬉しかった。
わたしは生まれて初めて、本気の恋をしたのだ。
ずっとただ遠くから眺めていることしかできなかったけれど、英語の能力別授業で同じクラスになれて、震えるくらい嬉しかった。
少しずつ話せるようになって、文化祭では一緒に出し物を回ることができた。
でも、彼方くんが選んだのは、わたしではなかった。
わたしと同じように彼のことを好きになり、遠くから見つめているだけだった遠子を、彼方くんは選んだ。
そのことは仕方がないことだし、当然だとも思える。
趣味も夢もなくて、熱中してがんばれるものも何もなく、ただ毎日をやり過ごすように無意味に過ごしているだけのわたしには、なんの魅力もないと分かっている。