本当はお兄ちゃんに聞くほうが正確な情報が得られるかと思っていたけれど、帰ってくる予定がないのなら仕方がないので、インターネットで調べることにした。
お母さんの後ろから離れて、リビングに置いてある家族共用のパソコンの前に座る。
どう調べればいいのか分からなくて、検索画面を開いてから動きを止めていると、お母さんが声をかけてきた。
「何してるの? 勉強?」
「いや、ちょっと、調べ物。友達のことで気になることがあって」
そう答えると、お母さんがため息をついて再び書類に目を落としながら言った。
「お母さんは仕事で忙しいっていうのに、いいご身分ね。勉強もしないでパソコンで遊んで」
さすがにむっとくる。少しパソコンを触っただけね、そんなに嫌みを言うことないのに。それに、テストは終わったんだから、少しくらいいいじゃない。
そうは思うものの、お母さんに逆らうのは怖いので、「少しだけだから」と答えた。
スマホで調べてもいいけれど、テスト勉強の時に授業動画を見たりしたから、容量オーバーで速度制限がかかると嫌なので、我慢してパソコンに向き直る。
お母さんもそれきり何も言わず、仕事に集中し始めた。ほっとしてキーボードに手を置く。
少し考えてから、検索語を打ち込んだ。
『声が出ない 原因』
天音はどうして話すことができないのか。病気なのか。そうだとしたら治療法はないのか。わたしはそれが知りたかった。
検索結果がずらりと出てくる。
いちばん上からクリックして見ていくと、声が出ない原因として考えられるものとして、『風邪による炎症』、『声帯ポリープ』、『喉頭がん』などが出てきた。
違うんだよな、と首をひねる。
お母さんの後ろから離れて、リビングに置いてある家族共用のパソコンの前に座る。
どう調べればいいのか分からなくて、検索画面を開いてから動きを止めていると、お母さんが声をかけてきた。
「何してるの? 勉強?」
「いや、ちょっと、調べ物。友達のことで気になることがあって」
そう答えると、お母さんがため息をついて再び書類に目を落としながら言った。
「お母さんは仕事で忙しいっていうのに、いいご身分ね。勉強もしないでパソコンで遊んで」
さすがにむっとくる。少しパソコンを触っただけね、そんなに嫌みを言うことないのに。それに、テストは終わったんだから、少しくらいいいじゃない。
そうは思うものの、お母さんに逆らうのは怖いので、「少しだけだから」と答えた。
スマホで調べてもいいけれど、テスト勉強の時に授業動画を見たりしたから、容量オーバーで速度制限がかかると嫌なので、我慢してパソコンに向き直る。
お母さんもそれきり何も言わず、仕事に集中し始めた。ほっとしてキーボードに手を置く。
少し考えてから、検索語を打ち込んだ。
『声が出ない 原因』
天音はどうして話すことができないのか。病気なのか。そうだとしたら治療法はないのか。わたしはそれが知りたかった。
検索結果がずらりと出てくる。
いちばん上からクリックして見ていくと、声が出ない原因として考えられるものとして、『風邪による炎症』、『声帯ポリープ』、『喉頭がん』などが出てきた。
違うんだよな、と首をひねる。