*
ずっと、学校がつらかった。
いつもわたしに申し訳なさそうな遠子を見ることも、彼方くんが遠子と仲睦まじい様子でいるのを見ることも、香奈たちが遠子につらく当たるのを見ることも、全部嫌で、悲しくて悔しくて苦しかった。
そんな時に、天音に出会った。
わたしは毎日放課後に彼と会うことで、学校や家でのつらさを忘れようとしていた。実際、天音に会ってその笑顔を見ている間は、嫌なことは全部忘れていられた。
でも、喫茶あかりを一歩出た途端、忘れていた嫌なものたちは全部現実になって戻ってきて、一気にわたしに押し寄せてきた。根本的な問題は何ひとつ解決していなかったんだから、当然だ。
それでもわたしは、天音に会うことで少しでも楽になろうとしていた。天音を逃げ道にしていたのだ。
彼と会う放課後の秘密の時間は、ただの現実逃避だった。
見なきゃいけないものから目をそらして現実を見ようとしない不自然な時間だった。
わたしを悩ませる問題には、いつかは向き合わなくてはいけないのだ。ちゃんとまえを向いて、自分の力で解決しなきゃいけない。
それはすごく勇気のいることで、今までに築き上げてきた自分の全てを失わなくてはいけないかもしれない。
でも、やらなきゃ。やれる。そう思えた。
天音に力をもらったことで、わたしは自分をほんの少しだけ信じられるようになったのだ。
ずっと、学校がつらかった。
いつもわたしに申し訳なさそうな遠子を見ることも、彼方くんが遠子と仲睦まじい様子でいるのを見ることも、香奈たちが遠子につらく当たるのを見ることも、全部嫌で、悲しくて悔しくて苦しかった。
そんな時に、天音に出会った。
わたしは毎日放課後に彼と会うことで、学校や家でのつらさを忘れようとしていた。実際、天音に会ってその笑顔を見ている間は、嫌なことは全部忘れていられた。
でも、喫茶あかりを一歩出た途端、忘れていた嫌なものたちは全部現実になって戻ってきて、一気にわたしに押し寄せてきた。根本的な問題は何ひとつ解決していなかったんだから、当然だ。
それでもわたしは、天音に会うことで少しでも楽になろうとしていた。天音を逃げ道にしていたのだ。
彼と会う放課後の秘密の時間は、ただの現実逃避だった。
見なきゃいけないものから目をそらして現実を見ようとしない不自然な時間だった。
わたしを悩ませる問題には、いつかは向き合わなくてはいけないのだ。ちゃんとまえを向いて、自分の力で解決しなきゃいけない。
それはすごく勇気のいることで、今までに築き上げてきた自分の全てを失わなくてはいけないかもしれない。
でも、やらなきゃ。やれる。そう思えた。
天音に力をもらったことで、わたしは自分をほんの少しだけ信じられるようになったのだ。