「おめでとう、すごかったね」
「お前、なんだよこの知ったかぶり丸出しの」
「あ、ばれた?」
携帯を見ながら靖人が笑う。
移動は寝っぱなしだっただろうから、今メッセージに気がついたんだろう。
「なっちゃんがいろいろ教えてくれたんだ」
「なっちゃんて誰だ」
「有川なっちゃん」
「へえ、詳しいんだ」
「そうみたい」
「お前、顔真っ赤」
触られそうになったのを、慌ててよけた。
もう、ひりひりしてめちゃくちゃ痛いのだ。
「試合に熱中してたら、日焼け止め塗り直すの忘れて」
「声もすごいな」
そうなのだ。
ガラガラを通り越して、もうスカスカした声しか出ない。
どれだけ興奮していたのか。
「あはは、なんか夢中になっちゃって、声出しすぎた」
ばつの悪さに頭をかく私を、靖人が妙に優しい顔で見ている。
あの活躍を見た後だけに、そんな顔されると、ちょっとドキッとするな、なんて思っていると、右腕が伸びてきて、抱き寄せられた。
…え、おや?
「靖人?」
「楽しかったー、今日」
肩のあたりから、満足そうな声がする。
ふいにいろんな記憶がよみがえってきた。
監督にうまく甘えることができず、つらい思いをしていた子供会のソフトボール時代。
中学では顧問が変わったのをきっかけに捕手に挑戦させられ、そこからめきめきと頭角を現して、3年の時には関東大会まで行った。
高校に入っても迷わず野球部を選び、のんびりした校風の中、部活仲間といつも楽しそうにしている。
去年は、学校側が選手に無断で監督を交代させたのに抗議して、全員が一斉退部するとかやっていたよね。
「お前、なんだよこの知ったかぶり丸出しの」
「あ、ばれた?」
携帯を見ながら靖人が笑う。
移動は寝っぱなしだっただろうから、今メッセージに気がついたんだろう。
「なっちゃんがいろいろ教えてくれたんだ」
「なっちゃんて誰だ」
「有川なっちゃん」
「へえ、詳しいんだ」
「そうみたい」
「お前、顔真っ赤」
触られそうになったのを、慌ててよけた。
もう、ひりひりしてめちゃくちゃ痛いのだ。
「試合に熱中してたら、日焼け止め塗り直すの忘れて」
「声もすごいな」
そうなのだ。
ガラガラを通り越して、もうスカスカした声しか出ない。
どれだけ興奮していたのか。
「あはは、なんか夢中になっちゃって、声出しすぎた」
ばつの悪さに頭をかく私を、靖人が妙に優しい顔で見ている。
あの活躍を見た後だけに、そんな顔されると、ちょっとドキッとするな、なんて思っていると、右腕が伸びてきて、抱き寄せられた。
…え、おや?
「靖人?」
「楽しかったー、今日」
肩のあたりから、満足そうな声がする。
ふいにいろんな記憶がよみがえってきた。
監督にうまく甘えることができず、つらい思いをしていた子供会のソフトボール時代。
中学では顧問が変わったのをきっかけに捕手に挑戦させられ、そこからめきめきと頭角を現して、3年の時には関東大会まで行った。
高校に入っても迷わず野球部を選び、のんびりした校風の中、部活仲間といつも楽しそうにしている。
去年は、学校側が選手に無断で監督を交代させたのに抗議して、全員が一斉退部するとかやっていたよね。