【今日はお兄ちゃんが早いの。明日なら行ける】
【じゃ、明日な】
【お仕事忙しくない?】
【いつも通りだよ】
手応えがいつもよりあったような気がしなくもない試験の後、疲れた脳を引きずって、健吾くんとやりとりした。
紙パックのジュースをすすりながら、ぼんやり画面を見る。
明日は金曜日だ。
金曜日は、飲み会や残務の処理で帰りが遅くなることが多いので、あまり会えたためしがない。
無理に帰ってきてくれるつもりなのか、それとも本当に用事のない日なのか。
今日も、がんばって行こうと思えば行けた。
私、試したのかな。
嫌な奴だな…。
■
「うー、暑い」
「今日は蒸したね」
帰ってくるなり健吾くんはぽいぽいと着ていたものを脱いで、バスルームに直行した。
5分くらい水音がして、すぐ終わる。
少したつとドライヤーの音が聞こえはじめたので、勉強の手を止めて、そっとのぞきに行った。
「うわっ、びっくりした」
腰にバスタオルを巻いた健吾くんが、忍び込んだ私を鏡の中で見つけて、ぎょっとした顔をした。
軽く割れているお腹に後ろから抱きつくと、「なんだよ」と苦笑する。
「取っちゃおうかな、これ」
「バカ、やめろ」
バスタオルに手をかけると、ちょっと本気っぽく焦った。
ドライヤーを置いて、バスタオルの合わせ目を死守する。
本気で取ろうと思っていたわけではもちろんないけれど、その様子がかわいかったので、しつこく手をかけるふりをした。
「やめろって」
「最初のときは、ためらいなく見せてたじゃん」
「あれは使うから出しただけだ、別に見せたわけじゃない」
「使うから出した!」
【じゃ、明日な】
【お仕事忙しくない?】
【いつも通りだよ】
手応えがいつもよりあったような気がしなくもない試験の後、疲れた脳を引きずって、健吾くんとやりとりした。
紙パックのジュースをすすりながら、ぼんやり画面を見る。
明日は金曜日だ。
金曜日は、飲み会や残務の処理で帰りが遅くなることが多いので、あまり会えたためしがない。
無理に帰ってきてくれるつもりなのか、それとも本当に用事のない日なのか。
今日も、がんばって行こうと思えば行けた。
私、試したのかな。
嫌な奴だな…。
■
「うー、暑い」
「今日は蒸したね」
帰ってくるなり健吾くんはぽいぽいと着ていたものを脱いで、バスルームに直行した。
5分くらい水音がして、すぐ終わる。
少したつとドライヤーの音が聞こえはじめたので、勉強の手を止めて、そっとのぞきに行った。
「うわっ、びっくりした」
腰にバスタオルを巻いた健吾くんが、忍び込んだ私を鏡の中で見つけて、ぎょっとした顔をした。
軽く割れているお腹に後ろから抱きつくと、「なんだよ」と苦笑する。
「取っちゃおうかな、これ」
「バカ、やめろ」
バスタオルに手をかけると、ちょっと本気っぽく焦った。
ドライヤーを置いて、バスタオルの合わせ目を死守する。
本気で取ろうと思っていたわけではもちろんないけれど、その様子がかわいかったので、しつこく手をかけるふりをした。
「やめろって」
「最初のときは、ためらいなく見せてたじゃん」
「あれは使うから出しただけだ、別に見せたわけじゃない」
「使うから出した!」