そんなこんなで疲れきって帰宅しても、あれこれと家事の手伝いを頼まれる。


毎日たくさんの予習と復習が必要で、しかも夏休みの課題も大量に出されているから、勉強もしないといけない。

土日にまとめてやろうと思っても、玲奈が「遊んで遊んで」とまとわりついてくるので、なかなか集中できない。


最近ときどき無性に叫びたくなることがあった。

全てを投げ出してしまいたい。

まあ、そんなこと、しないけど。


叫びたい衝動に襲われても、少しの間、俯いて目を瞑って堪えていれば、落ち着くから。


駅に入って改札を通り抜け、ホームに降りて電車を待つ。

地下鉄の駅構内はやっぱり蒸し暑くてうんざりだ。


携帯を取り出して、ラインのアプリを開く。

クラスのグループラインを開くと、昨日の夜に私が送ったメッセージにいくつかの返信が来ていた。

一つ一つ見ていき、暗澹たる気分になる。


昨日、補習の最後に担任に呼ばれた。

そして、『そろそろ文化祭の準備、本格的に始めないとな』と言われた。

つまり、クラス委員長である私に、リーダーシップをとってみんなを動かしてほしいということだ。


確かに、あっという間に時間が過ぎて、もう八月。

文化祭まで約一ヶ月。

お盆休みの一週間は使えないとなると、休み明けから始めたのでは明らかに遅すぎるので、今のうちに動き出さないと間に合わないだろう。