「いちばん綺麗だと思わん?」
駅に向かってしばらく歩いたところで、いきなり青磁がそんなことを言ったので、意味が分からなくて私は聞き返した。
青磁が空を見ながら答える。
「朝の街が、いちばん静かで、綺麗な気がするんだよな」
そんなことは考えたこともなかった。
どの時間の街がいちばん綺麗か、なんて。
そもそも私は、街を綺麗だと思ったことなんかない。
街はただそこにあって、これまでもこれからもそこにあって、私はそこにいる。
それだけ。
「なあ、本当に学校行くん?」
またもや唐突に青磁が言った。
話がころころ変わるので、私はいちいち対応するのに苦労する。
「行くよ。当たり前でしょ」
「なんで」
「なんでって……どういう意味?」
すると青磁は足を止め、硝子玉の瞳を私に向けた。
「お前は、なんで学校に行くんだ?」
そんなことも、考えたことはなかった。
少し考えてから答える。
「……行かなきゃいけないから。だから、行くの」
青磁が不機嫌な顔になる。
「なんだ、そりゃ。行きたいから行くんじゃないのかよ」
行きたいから行く?
学校に行きたいかどうかなんて、何の関係があるんだろう。
駅に向かってしばらく歩いたところで、いきなり青磁がそんなことを言ったので、意味が分からなくて私は聞き返した。
青磁が空を見ながら答える。
「朝の街が、いちばん静かで、綺麗な気がするんだよな」
そんなことは考えたこともなかった。
どの時間の街がいちばん綺麗か、なんて。
そもそも私は、街を綺麗だと思ったことなんかない。
街はただそこにあって、これまでもこれからもそこにあって、私はそこにいる。
それだけ。
「なあ、本当に学校行くん?」
またもや唐突に青磁が言った。
話がころころ変わるので、私はいちいち対応するのに苦労する。
「行くよ。当たり前でしょ」
「なんで」
「なんでって……どういう意味?」
すると青磁は足を止め、硝子玉の瞳を私に向けた。
「お前は、なんで学校に行くんだ?」
そんなことも、考えたことはなかった。
少し考えてから答える。
「……行かなきゃいけないから。だから、行くの」
青磁が不機嫌な顔になる。
「なんだ、そりゃ。行きたいから行くんじゃないのかよ」
行きたいから行く?
学校に行きたいかどうかなんて、何の関係があるんだろう。