「……公園に、いる」
『なに、どういうこと?』
うまく答えられない。
マスクを忘れたせいで電車に乗れなくて、学校に行けなかった、なんて言えるわけがない。
『担任の先生から電話が来たのよ。茜がまだ学校に来てないって』
「……うん。ごめん」
『どういうこと? まさか、さぼり? 連絡なしで欠席したら、怠業行為で特別指導になるかもって先生がおっしゃってたわよ。どうするのよ、そんなことになったら』
「………」
『受験に響くわよ、きっと。どういうつもりなの、まったく……』
言い訳さえ思いつかなくて、私は馬鹿の一つ覚えみたいに、ごめんなさい、と繰り返した。
『とにかく、今すぐ学校に向かいなさい。いいわね? 先生にはそう伝えとくから』
「わかった」
『まったく……。茜はそんなことしない子だと思ってたのに。玲奈とお兄ちゃんのことでお母さん大変なんだかららせめて茜だけは面倒かけないでちょうだい』
「……うん、本当、ごめん」
お母さんが電話の向こうで深くため息をついたのが分かった。
『じゃあ、切るわよ。続きはまた茜が帰ってきてから家でするから』
「うん……あ、お母さん、ちょっと待って」
『何よ』
「あのね、今、クラスの深川って子と一緒にいるの。先生に電話するなら、伝えといてくれない?」
『なに、どういうこと?』
うまく答えられない。
マスクを忘れたせいで電車に乗れなくて、学校に行けなかった、なんて言えるわけがない。
『担任の先生から電話が来たのよ。茜がまだ学校に来てないって』
「……うん。ごめん」
『どういうこと? まさか、さぼり? 連絡なしで欠席したら、怠業行為で特別指導になるかもって先生がおっしゃってたわよ。どうするのよ、そんなことになったら』
「………」
『受験に響くわよ、きっと。どういうつもりなの、まったく……』
言い訳さえ思いつかなくて、私は馬鹿の一つ覚えみたいに、ごめんなさい、と繰り返した。
『とにかく、今すぐ学校に向かいなさい。いいわね? 先生にはそう伝えとくから』
「わかった」
『まったく……。茜はそんなことしない子だと思ってたのに。玲奈とお兄ちゃんのことでお母さん大変なんだかららせめて茜だけは面倒かけないでちょうだい』
「……うん、本当、ごめん」
お母さんが電話の向こうで深くため息をついたのが分かった。
『じゃあ、切るわよ。続きはまた茜が帰ってきてから家でするから』
「うん……あ、お母さん、ちょっと待って」
『何よ』
「あのね、今、クラスの深川って子と一緒にいるの。先生に電話するなら、伝えといてくれない?」