そんなことを考えながら見ていると、急に遠子ちゃんが席を立って窓際に移動した。
何事かと思って窓の外を見ると、棒高跳びの男の子がこちらへ向かってくるところだった。
「遠子!」
満面の笑みで美術室の窓に駆け寄り、嬉しそうに彼女を呼ぶ。
遠子ちゃんのほうも嬉しそうに笑って、「彼方くん」と答えた。
「遠子、今日一緒に帰れる?」
「うん」
「よかった。こっちは六時半まで練習だから、だいぶ待たせちゃうけど」
「いいよ、全然。気にしないで。練習頑張ってね、彼方くん」
「おう、ありがとう。遠子も頑張れよ!」
爽やかな笑顔で手を振りながら去っていく少年。
「……青春ですなあ」
思わず、さっきよりずっとしみじみと呟いてしまった。
里美さんが噴き出して、「少し前から付き合ってるみたいよ」と教えてくれた。
てっきり片想いかと思っていたのに、ちゃんと両想いで、付き合っていて、しかもとても仲が良さそうで、
微笑ましい二人の様子にこちらまで嬉しくなった。
遠子ちゃんたら、奥手そうなのに、頑張ったのね、なんて心の中で拍手を送る。
まだ誰とも付き合ったりしたことのない私が、そんな上から目線な感想を抱くのもおかしいけれど。
何事かと思って窓の外を見ると、棒高跳びの男の子がこちらへ向かってくるところだった。
「遠子!」
満面の笑みで美術室の窓に駆け寄り、嬉しそうに彼女を呼ぶ。
遠子ちゃんのほうも嬉しそうに笑って、「彼方くん」と答えた。
「遠子、今日一緒に帰れる?」
「うん」
「よかった。こっちは六時半まで練習だから、だいぶ待たせちゃうけど」
「いいよ、全然。気にしないで。練習頑張ってね、彼方くん」
「おう、ありがとう。遠子も頑張れよ!」
爽やかな笑顔で手を振りながら去っていく少年。
「……青春ですなあ」
思わず、さっきよりずっとしみじみと呟いてしまった。
里美さんが噴き出して、「少し前から付き合ってるみたいよ」と教えてくれた。
てっきり片想いかと思っていたのに、ちゃんと両想いで、付き合っていて、しかもとても仲が良さそうで、
微笑ましい二人の様子にこちらまで嬉しくなった。
遠子ちゃんたら、奥手そうなのに、頑張ったのね、なんて心の中で拍手を送る。
まだ誰とも付き合ったりしたことのない私が、そんな上から目線な感想を抱くのもおかしいけれど。