「たぶん、俺、おまえが思うようなヤツじゃないよ」
僕が思うようなヤツっていうのは何者だろう。渡は何を遠回しに言いたいのだろう。
「僕は、渡と気が合いそうだから声かけただけだし。そこまで依存心ないつもりだから、おまえがどんなヤツでもいいけど」
「……とんでもないヤツだったらどうするんだよ」
「はぁ?」
「……犯罪おこして、逃げてるとか」
僕は眉をしかめて、怪訝な顔で彼を見た。口はたぶんへの字になっている。
「えーと、逃亡犯なの?」
「いや、違うけど。言葉のアヤだけど」
「じゃ、問題なくない?」
僕は答えて、空を見上げた。春から夏に移り変わる空はどちらの星も見える。
デネブ、ベガ、アルタイル。夏の大三角形は空の端っこに昇ってきている。
僕は本当に渡が何者でもよかった。
こんな不愛想な男なのに、微妙に『近づくな』オーラを出してるのに、気になるヤツなのだ。
せっかく仲良くなれたんだから、この友情を続けて行きたい。
「秋にさ、しし座流星群がくるらしいよ」
僕が言うと渡は食べ終わったケーキのパックを片付けながら問い返す。
「流れ星がたくさん降るってこと?地球終わるの?」
「地球にはぶつからないけど、今年はかなりの数が見られるみたいだよ。ほら、花火やるでかい公園あるじゃん。そこに見に行こうよ」
僕が思うようなヤツっていうのは何者だろう。渡は何を遠回しに言いたいのだろう。
「僕は、渡と気が合いそうだから声かけただけだし。そこまで依存心ないつもりだから、おまえがどんなヤツでもいいけど」
「……とんでもないヤツだったらどうするんだよ」
「はぁ?」
「……犯罪おこして、逃げてるとか」
僕は眉をしかめて、怪訝な顔で彼を見た。口はたぶんへの字になっている。
「えーと、逃亡犯なの?」
「いや、違うけど。言葉のアヤだけど」
「じゃ、問題なくない?」
僕は答えて、空を見上げた。春から夏に移り変わる空はどちらの星も見える。
デネブ、ベガ、アルタイル。夏の大三角形は空の端っこに昇ってきている。
僕は本当に渡が何者でもよかった。
こんな不愛想な男なのに、微妙に『近づくな』オーラを出してるのに、気になるヤツなのだ。
せっかく仲良くなれたんだから、この友情を続けて行きたい。
「秋にさ、しし座流星群がくるらしいよ」
僕が言うと渡は食べ終わったケーキのパックを片付けながら問い返す。
「流れ星がたくさん降るってこと?地球終わるの?」
「地球にはぶつからないけど、今年はかなりの数が見られるみたいだよ。ほら、花火やるでかい公園あるじゃん。そこに見に行こうよ」