お父さんは相変わらず仕事の虫で、大みそかまで会社に行っていた。でも、わたしたちのために働いてくれているのだと思うと、素直に頭が下がる。

お母さんはやっぱり口うるさくて、わたしは最近、お手伝いを頻繁にやらされる。

苦手な料理を手伝っていると、毎日みんなのご飯を作るということが、どれほど大変なことかわかった。

考えてみれば、中学時代からお弁当も欠かさず作ってくれていたんだ。それって、すごいことじゃないだろうか。


両親とたくさん会話をする中で、驚きの事実もあった。


「実は、あの日の朝、おじいちゃんが夢に出てきたんだ」

ぽりぽりと頭をかきながら言ったのは、お父さんだった。


それは、両親がわたしを迎えに来てくれた日のこと。

あの日の明け方近く、お父さんの夢に勝也さん――おじいちゃんが現れて、「環が家にいて邪魔だからさっさと迎えに来い!」と怒鳴ったらしい。

人のことを邪魔って、ひどいなあ、おじいちゃん。