少しずつ心に余裕がなくなっていって、颯のもとを訪れることが減っていって。



大きなものが動かすこの世界に、小さな小さな自分は淘汰されたくない。



私たちは同じ、そんな思いを抱えていたはずなのに、ズレていった。今思えばそれは仕方ないことだったけれど。



私は気づかなかった、颯の悲鳴に。



ひとりぼっちになりたくなくて、外の世界と関わるしかなかった私と、外の世界と関わりたかった颯と。



同じだったんだ。私と颯は。


長い間、気づいてあげられなくてごめん。



『颯には、わからないよ』



何度も何度も傷つけて、本当にごめん。