世界のまんなかで笑うキミへのレビュー一覧
5.0
美術部員の理央と人気者の颯。ふたりの立つ場所は遠く離れているように見えた。だけど。
絵を描くことが好きだという想いをすべての人が肯定してくれるわけじゃない。心ない言葉に傷つけられることがある。評価されることを求めてしまうことがある。ただ純粋に楽しんでいた頃と変わってしまうことだって、ある。
だけど同時にそんな日々の中でのとある出会いが、自分を取り戻すことに繋がることやいい方向へと変化することになることもあるのだ。
誰かに劣等感を感じたことのない人間なんていない。だけど、それでもいいと許されるようで、この作品は心の救いでした。
大きなもの、ちっぽけなもの。誰かにとって、理央と颯の場合はお互いにとって、比べようもない大切なもの。
青春は苦しい。だけど、だからこそこんなにも輝いている。理央の優しい絵のまんなかに、胸のまんなかに颯がいることは、なによりも幸せなことだと思いました。
絵画コンクールで賞を逃し、それ以来「見てもらえる塗り方」を模索して絵を描くことが苦しくなってしまった主人公と、太陽みたいに人の輪の中にいるのに、時折透明になって姿を消してしまう少年。 世界のまんなかにいるような彼と過ごしながら、主人公は忘れていた大切なことを思い出していきます。 主人公の葛藤、それから成長していく様子がとても丁寧に描かれていて、絵を描かない私でも、ありありとその心情を追体験出来ました。 相沢ちせさんの文章は、水のようにすらすらと心に入ってきます。主人公と一緒に颯くんに出会い、キュンとして、彼の言葉にはっとさせられて、物語が進むごとに、彼の隠された秘密にも気がついていく。 少しずつ読んでいくつもりだったのに、あっという間に惹き込まれて気が付いたら読み終えてしまっていました。もちろん、読了感も爽やかでした。 是非、ご一読を。
絵画コンクールで賞を逃し、それ以来「見てもらえる塗り方」を模索して絵を描くことが苦しくなってしまった主人公と、太陽みたいに人の輪の中にいるのに、時折透明になって姿を消してしまう少年。
世界のまんなかにいるような彼と過ごしながら、主人公は忘れていた大切なことを思い出していきます。
主人公の葛藤、それから成長していく様子がとても丁寧に描かれていて、絵を描かない私でも、ありありとその心情を追体験出来ました。
相沢ちせさんの文章は、水のようにすらすらと心に入ってきます。主人公と一緒に颯くんに出会い、キュンとして、彼の言葉にはっとさせられて、物語が進むごとに、彼の隠された秘密にも気がついていく。
少しずつ読んでいくつもりだったのに、あっという間に惹き込まれて気が付いたら読み終えてしまっていました。もちろん、読了感も爽やかでした。
是非、ご一読を。