「俺の身体が……消えたり、とか。これからもたぶん、あると思う。俺にはどうすることもできないんだ。でもそれは一瞬だけで、いきなり理央の前からいなくなったりはしない。絶対」



これからも………。


私はその度に、寿命を縮める思いをしなきゃいけないのか。


できればあんなのもう二度と体験したくないのだけれど、どうしようもないなら仕方ない。


ただ。



「……原因は、わかってるの?」



颯は、無言で頷く。私は何かを言おうと口を開いて、やめた。


心の中が、もやもやする。



「……私には教えてくれないの。それ」



颯の目が、見開かれる。ハッとした顔をして、彼は私を見た。


それをじっと見つめ返す。颯は辛そうに眉を寄せて、首を横に振った。



「ごめん。言えない」



思わずつめよりたくなるのを、必死にこらえた。


手のひらを握りしめて、喉の奥から声を絞り出す。



「………わかった」



こんなものか。


私と彼の間にあるのは、こんなものかと思った。