「ペリドットは特に、明るくパワーに溢れた宝石で古代エジプトでは国家の象徴でもあるらしいのです」
「へぇ~、すごい宝石なんですね、知らなかった!」
「まぁ、これはある人の受け売りなんですがね。でも、このデザイン見覚えがある気が……」
──どうしたんだろう、深海さん。
何かを考え込むように、ペンダントを凝視している。しばらくすると首を横に振り、私にペンダントを手渡した。
「いえ、私の考えすぎですね。来春さん、もし迷惑でなければこのペンダント、うちでリペアさせていただけませんか?」
「え、うちって……」
……喫茶店で?
よっぽど見当のつかない顔をしていたのか、深海さんは意味深に笑う。
「ふふ、うちの喫茶店は少し特殊なのですよ」
──特殊ってなんだろう。
私は不思議に思いながらも、好奇心に負けてついていく事にした。