「この謎を解けるのは、拓海先輩だけなんです!」

「お前……」

「だから、また根気強く鑑定をお願いします!」

戸惑っている拓海先輩にバッと頭を下げた。

「それでは、ここでバイトするというのはどうでしょうか?」

深海さんは予想だにしない提案をしてきた。それに一瞬目をしばたたく。

「は?」

「え!?」

見事に、拓海先輩と声が被った。

──バ、バイトするって……私がこの喫茶店で?
採用条件に特殊能力とか書かれてたらどうしようと不安になる。

「あの、私、拓海先輩みたいな超能力ないです」

「お前……バカなのか?そんなにホイホイ俺みたいな人間がいるわけないだろ」

めずらしく饒舌かと思えば、どれも私を貶すものばかり。天才ではないけれど、バカは聞き捨てならない。

「ブリザードめ……」

「なにか言ったか」

「なんもありませんよ!」

私はプイッと顔を逸らした。

「ガキか、お前は」

「私には、七海 来春って名前があるので、お前じゃないです!」

「興味ない」

──それ、私に興味ないってことですよね。
私はガックシと肩を落とす。